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ピアノを設置する際に気をつけることはありますか?

ご自宅にピアノを置くことになった際、皆さんが真っ先に考える事と言えば、床の補強や防音対策かもしれません。もちろんそれらも大事なことなのですが、意外と忘れがちな事があります。それは...「調律作業がやり易い設置」

になっているか否かという点です。ピアノの左右、上部に充分なスペースが確保されるように設置する事で、調律の際の作業性が大分変わってきます。広く十分な作業スペースがあれば作業は捗りますし、極端に狭いスペースでは作業性が落ちてしまいます。以下具体的に見ていきましょう。

ピアノの右側にスペースを設けると調律がし易い
このようにピアノの右側に十分なスペースを設けておくことが理想です。チューニングハンマーを右手で持って操作する際、最高音部の調律になるとピアノの右側側面(親板)よりも体はさらに右にはみ出す格好で作業する事になります。特に右腕の肘は右側にはみ出すスタイルをとって調律する事になりますので、ピアノの右側には十分なスペースを確保するよう、ピアノ設置の際は注意が必要です。尚、ピアノの左側(低音側)は壁に寄せて合ってもさほど影響ありませんが、スペースが確保できるのであれば多少開けておくに越したことはありません。アップライトピアノの場合で、ピアノの屋根上部に棚を設ける方も居られますが、この場合もピアノの屋根のすぐ上に棚を作ってしまうと、ピアノの屋根を空けられず、毎回屋根を空けるのにピアノを引き出さなければなりませんのでご注意ください。屋根が開けられることはもちろんですが、チューニングハンマーを垂直にセットして調律する事も想定し、ピアノの上部にもある程度の余裕が必要です。

グランドピアノの右側もスペースに余裕を持った設置を
グランドピアノの場合も、アップライトと同様に右側(高音側)を空けて設置しましょう。

以下は好ましくない設置になります...

ピアノの右側が狭いと調律がやりにくい
ピアノの右側(高音側)が壁にピッタリと寄せてあり、体や右肘は壁が障害となって通常の調律スタイルをとることが出来ません。このような右寄せの設置のピアノでも調律はなんとか出来ますが、チューニングハンマーを9時の方にセットして12時の方へ回し、体勢も窮屈な感じでの作業になってしまい調律がやりにくくなってしまいます...もし現在ピアノを右側の壁にピッタリ寄せて設置なさっている方は、せめて5cmでも10cmでも良いので可能な限りピアノの右側は空けるようにして頂けると作業性が上がります。

グランドピアノの右側にも十分なスペースを!
グランドピアノも同様に右側(高音側)に壁がありますと、無理な姿勢での調律になってしまい作業が遣り難いものです...

この場合はどうでしょう?

柱の出が少ないのでピアノの調律には影響なし
ピアノのすぐ右側に柱が来ているものの柱の出が少ない為、体や腕を右へ出す事が出来るので、この場合は調律作業に支障はありません。

グランドピアノの場合はピアノの手前側(鍵盤側、弾き手側)のスペースにも注意が必要です。グランドピアノのアクションは手前に引き出す構造になっておりますので、手前側のスペースが十分に確保出来ていませんと整調、整音、修理作業の際、支障が出る事がありますので、手前側のスペースは十分に確保するようにして設置しましょう。尚、ピアノのお尻側は壁に近くても普段の作業にはさほど影響ありませんが、最低限、人が立てるくらいはスペースを確保しておくと良いでしょう。

ピアノの手前側が狭く調律作業がやり難い
この場合は椅子のすぐ後ろに窓があり、椅子に座ってアクションを引き出して作業するにはキツキツです。もう少し広いと作業し易くなりますね。

ピアノの手前側に十分なスペースがあり作業がし易い
こちらはピアノの手前(弾き手側)に十分なスペースが確保してあるので快適に調整作業が進められます。整音作業等でアクションを180度反転する場面がありますが、十分なスペースがあれば

グランドピアノのアクションを引き出し反転中
こんな風に回転して

グランドピアノのアクションを反転した状態
アクションを反転しての作業(ハンマーヘッドやバックチェックが手前にくる)もスムーズにこなせます。

エアコンの送風がピアノを直撃
こちらはエアコンとピアノの位置関係が上手くないです。まずピアノとの距離があまりにも近すぎます。この位置で冬期に暖房を使うと、ピアノを常時ドライヤーで暖めているようなもので(エアコンで暖房を使う場合ルーバーを下向きにするのでもろにピアノに送風が行く)、調律もあっというまに狂ってしまい、冷えきったピアノを一気に暖めるとスティックを起こす原因にもなりますし、ピアノの使用材にもいいことはありません。ピアノの位置を見直すか、別の暖房器具(急激に暖めない暖房)を使うようにしたいところです。
この位置で冷房の使用はどうでしょう。エアコンで冷房を使用する場合、ルーバーを水平にしますから、一応直撃は免れますが、冷気は下に降りてくるのと、位置が近いためピアノの側の室温が急激に変化することが懸念されます。やはりエアコンの送風を直接受けない位置にピアノを移動したほうが良いです。

以下の場合は、どこに問題があるでしょうか?

邪魔な照明
エアコンの位置の悪さにはすぐに気がつきますが、この場合の一番の問題はピアノの少し上に位置する天井から吊り下がっている「照明」です。ピアノの前に立って調律作業をやろうとすると顔面がこの照明に当たってしまいピアノの前に立つことが出来ません,,,譜面を照らすために付けたのでしょうが調律する時の事も考えて頂かないと...

おまけ...

ピアノの左右の幅がピッタリ過ぎてインシュレーターが設置出来なくなった例
ピアノを設置するのに、ニッチを設けてそこにピアノをすっぽりと入れてしまうという造りの部屋を設計なさる方も居られますが、この部屋の場合、ピアノの幅ぴったりに作りすぎた為、左右ギリギリでインシュレーターすら履かす事が出来なかったという残念な例です...いかなる場合もピアノの周囲にスペースが出来るような形で設置するよう心がけましょう。

ピアノ調律に関するご質問は、
お気軽に渡辺宛 info@piano-tokyo.jp までお問い合せください。

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