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良くある質問(ピアノにまつわる質問集)一覧

ピアノ線ってサビるの?

錆びた弦
まずこの質問自体に誤っている箇所があります...
ピアノに張ってある弦はピアノ線とは呼びません。
ピアノ線は、一般的に工業用のワイヤーの事を言います。
ピアノに張ってある弦は、正式には「ミュージックワイヤー」といいます。

で、このミュージックワイヤー(弦)ですが、炭素鋼という材質で出来ており、金属ですので当然錆びます。
酷く弦の錆びたスタインウェイ
湿度の高い部屋や結露のおきるような場所にピアノを設置してあると、錆びが出てしまうことがあります。
軽度の錆であれば、調律の時にサビを落としてごく薄く防錆油を塗りますが、錆により完全に化石のような状態となっている弦は張替えが必要になります。

また見た目上赤錆などがみられなくても、一定の年数を経過した弦は音に艶や脹よかさが失われていきますので、一定の期間が経った弦は交換が必要になります。
弦はハンマー等のフェルト・クロスと同様に消耗品と考えて差し支えありません。
良質な弦は、「材質が均一、傷が無い、不純物を含まない、抗張力が強い、応力がある、太さが均一である」等の条件を満たしていなければなりません。

適度に湿度管理していて、49A=440Hzで調律していたピアノは、60年から70年も弦が生きた状態のピアノもあります。
一方で弦を錆びさせてしまったり、49A=442Hz以上の高いピッチにしていたピアノの弦は30年ほどで賞味期限切れになっていることも。
怖いですね...どうせだったら長持ちさせましょう!

緑青が出た低音巻線
日頃から、出来るだけピアノを設置しているお部屋の湿度管理や、結露等を起こさないよう気を使ってあげてください。
無駄に錆びさせないよう気を使っておくことで、早期に弦の交換をしなければならないといった事態を避けることが出来ます。

関連リンク : 使わない(弾かない)とダメになるの?

当サイト「用語集W」の W : Wire(ワイヤー)にもミュージックワイヤーに付いて記述しております。

The author is Masami Watanabe

ピアノ調律に関するご質問は、
お気軽に渡辺宛 info@piano-tokyo.jp までお問い合せください。

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