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良くある質問(ピアノにまつわる質問集)一覧

1音や2音なら自分で調律出来ますか?

カワイピアノ
我こそはと自身のある方はやってみても良いかもしれませんが、一般的にはお勧めしません...
チューニングハンマーの操作が上手くないと、チューニングピンの保持力が悪くなるなどピアノを痛めてしまう可能性があるので、立場上「どんどん自分で調律しちゃいましょう!」と推奨は出来ないです...
器用な人で中音部なら出来てしまう人もいますが、少数派です。

調律師として活躍してる人たちは皆、長い年数の訓練・下積みを経て、ようやく外に出られるようになるのです。
調律の作業を見ていると調律師さんたちは、手早く作業しているので簡単そうに思うかもしれませんが、作業自体は非常に熟練を要します。
見よう見まねでやってみても、おそらく弦を切ったりするかも...。

手先が器用だと自負する人は、チューナーアプリと安価な工具を手に入れてを使って中音の調律を試してみるといいです。
チューニングピンを回すときは、出来るだけピンが埋まっている角度そのままに素直に回してください。

ピン板を痛めずにハンマー操作を行う簡単な方法があります。
9時から12時の間だけでハンマー操作する
9時から12時の間だけでハンマー操作を行うのです。
チューニングピンは通常4度から8度の角度で打ち込まれています。
9時から12時の間でチューニングハンマーを操作すると、チューニングピンの角度に逆らうことなく自然とピンを回すことが可能です。
調律にチャレンジしたいけど、ピアノを痛めてしまうのは心配という方は是非参考にしてください。

チューナーでできる限り正確に合わせた音律。
作業後にスケールやメロディ、主要3和音を弾いて見ます。
「あれ?なんか綺麗じゃない!」「どこか違和感のある響き」と感じることがあるかもしれません。
そう、コレが技術者が耳で行う調律作業との違いです。
ピアノは構造上インハーモニシティが存在するために、人の耳で綺麗な音律になるように帳尻を合わせてあげる必要があるんですね。
そのためチューナーが机上で正解とする音程を、どれだけ正確にピアノに移しても音楽として綺麗に聴こえる音律にはならなかったのです。

ピアノの調律作業を言葉で説明するのは簡単です。
「ロングミュートをこのように挿して、音叉で基音をとり、チューニングハンマーをチューニングピンに対しこのように挿し、ハンマーはこのようなスタイルで廻し、割り振って、低音、高音にオクターブを広げ、ユニゾンを合わせます」こんな感じです。
しかし実際にやってみると如何に大変な作業かが分かっていただけるかと思います。
職人や技術屋と呼ばれる職業はたくさんありますが、共通して言えることは、一人前になるには少なくとも10年は掛かるということでしょうか。
さらに何年経とうが生涯研究の日々が続きます。

ピアノの弦を巻いてあるチューニングピンが、ギターのぺグのような構造であれば良いのでしょうが、チューニングピンの埋まっているところは、ピン板とよばれる木である為、ハンマー操作が悪いと弦の保持が出来ないいわゆるピンズル(ルーズピン)状態を招きかねません。
本当はピアノを弾く人が自分で調律出来れば一番良いのですが、そう簡単ではないのですね。
だからこそ調律師という職業が成り立っているわけですが...

関連リンク : ピアノ調律とは?

The author is Masami Watanabe

ピアノ調律に関するご質問は、
お気軽に渡辺宛 info@piano-tokyo.jp までお問い合せください。

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