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PETROF ペトロフピアノの調整(その3)

60mmジャックのデトアアクション搭載のペトロフを、
70mmジャックのレンナーアクション搭載のペトロフ並みに軽快なタッチに改良して、
更にグランフィールのタッチ感も向上させました。

鍵盤フロント部の軽量化
鍵盤フロント部に鍵盤鉛調整をする時のように穴開けをし、
鍵盤手前の軽量化をしました。
これによりキー手前の慣性モーメントが小さくなるとともに
アップウエイトが稼げるようになり
鍵盤奥側の鉛量を少し減らすことが出来ます。

SRを下げる
バランスパンチングクロスを半分にカットし
SRを下げ、一旦BWをぐっと小さくして
その状態から鍵盤鉛調整を行います。
パンチングのカットでSRを減らすと、
あがきを少し深くしないとならなくなりますが
もともと9.8mmのあがきでしたので
様子を見ながら10.5mm程度までは下げられそうです。

最終的な鍵盤の重さは
DW40g台後半、UW30g台前半、BW40gとなり
非常に軽快なタッチに仕上がりました。
鍵盤鉛の量はこれまでよりも減らす事が出来ましたので、
慣性モーメントの観点からもタッチは軽い方向に変わっています。

つづいてレペティションスプリング周りの見直しです。

レペティションスプリング製作
短いジャックのピアノにグランフィールを取付ける場合、
少し工夫をしてやらないと
標準的なジャック長のピアノのような
グランドタッチを再現出来ない事があります。

レペティションスプリングの太さと配分の変更は
理想的なタッチを求めこれで4回目です。
最高音部は太さ0.75mmでも少し強いと感じられましたので
0.7mmの燐青銅線を巻いて、
最高音部用のレペティションスプリングを自作しました。
60mmジャック用のレペティションスプリングは短いので、
同じ太さでも強く効いてしまうのです。
最終的なレペティションスプリングの配分は

  • 最高音 0.7mm × 24本
  • 中音 0.75mm × 44本
  • 低音 0.8mm × 20本

にしました。

グランフィールのレペティションスプリングは
短いジャックの場合、専用設計のスプリングは無く、
コイル部を一巻き分多く巻いて対応しています。
レギュレチングレールにこのレペティションスプリングを取付けると
微妙にスプリングの頭とジャックまでの距離が遠くなり
レペティションスプリングの角度がきつくなります。
ジャックの動作し始めから
スプリングの頭がジャックに触ってしまうようなセッティングになってしまいます。
これを回避する為に、
レギュレチングレールにスペーサーとして5mm厚で高さのある角棒を貼って
レペティションスプリングの位置をジャック側に寄せました。
同時に高さも少し高い位置に移動しています。
スペーサーの効果は絶大で
レペティションスプリングの頭はジャックの頭の少し下、
つまり標準ジャック長のピアノに取付けた時と同じ位置にすることが可能になりました。
レペティションスプリングの角度もスペーサー無しで取付けた時よりも寝ていないので
ジャックの脱進に合わせて
レペティションスプリングの頭が触れると同時に効きはじめるようにセッティング可能になりました。
レットオフが鍵盤を8mmほど下げたあたりとするならば
レットオフと同時にレペティションスプリングが効く様になり、
ドロップスプリングのタイミングもこれに合わせてやる事で、
よりグランドに近いタッチを再現出来ます。

レペティションスプリングの太さ、配分、取付ける上下及び前後位置の変更、により
グランフィールのタッチ感はさらに向上しました。

先に行った鍵盤のタッチ調整で
ダウンウエイト40g台後半と軽めに調整してあるのは
レペティションスプリングとの兼ね合いを想定しての事です。
レペティションスプリングを適度に効かせると
その分鍵盤は重くなってしまいますので
少し軽めのDWとある程度大きめのアップウエイトに調整しておく事で
鍵盤を下げた時の重さは
軽いDWとスプリング圧で相殺されちょうどいい重さになります。
適度に大きいUWは
レペティションスプリングの力に負けずにダブルエスケープする助けとなります。

レペティションスプリングをしっかり効かせても
軽快なタッチのグランフィールに仕上げる事が出来ました。

↓グランフィールについては以下のページもどうぞ。
グランフィール Granfeel

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お気軽に渡辺宛 info@piano-tokyo.jp までお問い合せください。

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