グランフィールの取付け(ヤマハW-102)
今お使いのアップライトピアノが
グランドピアノになってしまう「グランフィール」を
ヤマハ W-102 に取付けました。
使用者は小学校高学年のお嬢さん。
自宅ではアップライトピアノで練習していますが
外でグランドピアノを弾く機会も増えてきたので
今回アップライトをグランド化する事に。
このところグランフィールの取付け作業が増え
さながらグランフィール専門店のようになっている
最近の渡辺ピアノ調律事務所であります。
それだけグランフィールの機能を
待ち望んでいた方が多かったという事なのでしょう。
こちらの W-102 には
消音ユニットが後付けされておりまして
こいつは少なからずアコースティックピアノの性能を落としてしまうのと
グランド化の邪魔になるので取り外します。
このピアノのオーナーさんは
夜用に電子ピアノをお求め済ですので
もう消音ユニットは必要ありません。
今現在、消音ユニットを付けておられる方のピアノは
少なからずアコースティックで使用する際の
性能が劣化していますので
グランフィールを取付ける云々に関係なく
消音ユニットを取り外して
普通のアコピにして、整調を見直してやるだけで
本来の音色やタッチが得られます。
ピアノを普通のアップライトに戻して
整調をざっと見直したら
しばらくの間、アクションをお預かりさせて頂き
グランフィールパーツをインストールします。
グランフィール取付キット。
グランド化に必要なパーツが一式揃ってます。
既存のダンパーストップレールに
ショット&ドロップスプリングを取付けるのですが
この時代のヤマハは
既にコストダウンで堅木ではなくなっています。
このままでもビスが効かないことはありませんが...
念のためアルミのアングルで補強します。
これにより確実にビスが効くのと
季節変化の影響を受けることが無くなります。
長期に渡り安心してグランフィールをお使い頂く為に
出来るかがり手間を惜しまないように施工しております。
レギュレチングレールとダンパーストップレールに
レペティションスプリングと
ショット&ドロップスプリングが取り付きました。
グランフィールはただ単に
部品を追加するだけではありません。
よりグランドピアノのタッチを再現するための工夫が
随所に盛り込まれています。
ハンマーもこの機会に
整音の下処理(ファイリング、針入れ)をして
グランドピアノの再現を追求します。
新たに取り付いたショット&ドロップスプリング。
普通のアップライトピアノが出す事の出来ない
豊かな倍音を奏でます。
こちらも新たに追加されたレペティションスプリング。
グランドピアノには付いていますが
アップライトピアノにはおよそ200年間
付いていなかった部品です。
レペティションスプリングが追加された事により
グランドピアノと同じ様に
トリルや連打が可能になります。
グランフィールパーツの取付け、各種加工が済み
インストール完了です。
次はピアノにアクションを戻して調整作業になります。
ショット&ドロップスプリングの調整。
推奨値を基準としつつ
もっとも綺麗に倍音が出るポイントに、
ピアニッシモで弾いた時の挙動などを
慎重に見極めながら調整していきます。
レペティションスプリングの調整。
こちらも調整の精度が要。
連打性、トリルの挙動を確認しながら
違和感の無いタッチになるよう調整します。
通常のアップライトピアノでは不可能な
鍵盤を戻しきらない位置での打鍵が可能になり
トリルや連打で音抜けすることが無くなりました。
また、グランフィールは
単にタッチだけがグランドになるだけではなく
響きもグランドになります。
ショット&ドロップスプリングのリムショット効果により
高次倍音が豊富になりますので
大変華やかな音色のピアノに生まれ変わりました。
今回は
・消音ユニット取外し
↓
・ノーマルアップライト
↓
・グランフィール搭載アップライト
と二段階に性能が向上していますので
感覚としては
ものすごくピアノのグレードが上がったように感じられます。
今後は自宅での練習の成果を
他所のグランドピアノで発揮できますね。
鍵盤が思う様にコントロール出来るようになり
音も良くなってますから
ピアノを弾くことがこれまで以上に楽しくなる筈です。
「グランドピアノの”あの”響きを、タッチを、アップライトに。」の
「グランフィール」については
以下のページに詳細を掲載しております↓
http://www.piano-tokyo.jp/granfeel.html
グランフィールの取付け(ヤマハW-102)@東京都杉並区
渡辺ピアノ調律事務所
〒154-0016 東京都世田谷区弦巻1-20-14
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2015年1月12日 | カテゴリー:グランフィール