PETROF Magnetic Accelerated Action

ペトロフピアノ

こちらへの投稿はご無沙汰です。
ここ数年はいろいろと忙しく
投稿が手軽なSNSへのポスト多くなってますので
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ペトロフ MAAアクション

あるピアノ教室から依頼があった4台のピアノの中に
ペトロフのグランドピアノがあり
それが Magnetic Accelerated Action(MAA)搭載でした。


MAAアクション

赤丸内が普通のアクションと違う部分。


MAAアクションの磁石

近づいて見るとこのようにウイペンとレールに
磁石が反発するように取り付いてます。

磁石の反発により、ウイペンは常に上に持ち上げられる格好になるので
ウイペンを上に持ち上げる動作が有利になることや
タッチウエイトを軽くする効果などが期待できます。

かつて似たような発想でウイペンとフレンジを
ウイペンアシストスプリングで連結するのが
流行った時代がありましたがそれに近いものですね。

磁石にすることでウイペンと何かが
物理的に接触しないのは上手いやり方だし
ウイペン側の磁石の頭は工具で回せるようになっているので
磁石の効きを自由に調節出来るのが便利。


MAAのレペティションレバー

レペティションレバーは磁石に工具が挿せるように
切り欠いてあります。親切!


MAAの調整

実際に工具をセットしてみました。
磁石へのアクセスも容易だし、よく考えられてるなぁ。


低音部白鍵
低音部黒鍵

驚いたのは低音セクションの白鍵・黒鍵ともに
鍵盤鉛は一個も入っていないこと。


中音白鍵

中音セクションの途中まで
鍵盤鉛が一個も入っていません。


中音鍵盤板の肉抜き
高音鍵盤板の肉抜き

中音の途中から最高音部までは
大胆に鍵盤板の肉抜きがされていました。

一般的なグランドピアノでは
低音で3個から4個の鍵盤鉛が入っていて、
中音で2個から3個、次高音で1個から2個と
鍵盤の手前側に鍵盤鉛が入っています。

MAA搭載アクションでは
鍵盤鉛を使う必要が無いので
鍵盤由来の慣性モーメントを大幅に小さく出来て
タッチウエイトを軽くすることを実現しています。

実際に弾いてみた感想としては
普通に弾いていてなんの違和感もないし
試しに速めのトリルや連打をしてみると
慣性モーメントが小さいことで
素早い動作が楽に出来ることを実感しました。


鉛の有害性が指摘される昨今、
可能性のあるシステムだなぁと感じました


渡辺ピアノ調律事務所 渡辺雅美
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