消音ユニットの取外し(カワイAT-22)
最初から消音ユニットが付いたピアノ、
「カワイ AT-22」の消音装置を取外しました。
お客様からのメールで
「消音ユニットは既に故障していて使っていない。
ユニットを外すとタッチが良くなると聞いたので外して欲しい」
というご依頼です。
お伺いしてみると
- レットオフ 15mm
- ハンマーストップ 25mm
と、驚きの整調寸度になってました...
消音ユニットが付いているピアノは
消音都合でピアノの整調が犠牲になりますが
それにしてもな調整です。
当然弾いてみるとタッチに腰はなく鳴りも悪い。
故障して使えなくなった消音ユニットの部品を取り外しました。
後付けの消音ユニットとは違い
消音ありきのピアノのため
左側の拍子木にスイッチ類は残りますが、その他の部品は全て外せました。
これで消音の部材が原因の、共鳴による雑音もおさまります。
そして、これで普通の整調が出来るピアノになりました。
- レットオフを3mmから2mm
- ハッマーストップを15mmから13mm程度に
- スプーンの掛かりがはやすぎてタッチが重いので、掛かりを1/2に
- ダンパースプリングが強過ぎるので適正に
その他、鍵盤調整や各部潤滑など諸々手を入れて
お客様に弾いて頂いたところ
鳴りが1.5倍になり、弾きやすくなったとの事です。
実際には鳴りが良くなったのではなく
消音が付いていたために普通に調整出来なかったのが
取り外した事で本来の状態に戻ったということですけど
確かに消音を外したピアノは、生き生きしているなぁと感じます。
渡辺ピアノ調律事務所
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