タッチレールの取付け(カワイ RX-2 NEO)
10年以上のお付き合いをさせて頂いている常連さんの
カワイのグランドピアノ、RX-2 NEOに
グランドピアノ専用、タッチ軽量化ツール
「タッチレール」を取付けました。
タッチレールは
グランドピアノの重たい鍵盤を
手軽に軽くすることが出来る
グランドピアノ用のオーダーメイドツールです。
タッチレールの最大のメリットは何と言っても
「ピアノにいっさい手を加えずに取付けが可能」
であるということ。
一般的に、重たい鍵盤を軽くしようとした場合
鉛の追加による方法が用いられますが
新たな鉛を追加する為に
鍵盤に穴開けをして、鉛を追加したり
既存の鉛を抜いて、開いた穴に埋め木をする等
結構な手間が掛かる作業でした。
ところがタッチレールを取付ける方法であれば
作業時間は半分以下で済んでしまう上に
ピアノにいっさい手をくわえる事なく
鍵盤を軽くすることが可能です。
今回のお客様が
鉛による鍵盤のウェイト調整ではなく
タッチレールを選択された最大の理由は
「ピアノに一切手を加える事なく調整が可能」
という点が気に入って、
タッチレールの取付けを決めたとの事です。
ピアノに穴を開けたり
切ったり削ったりしないということは
いつでも、元の状態に戻せるということです。
これなら、どんな方でも安心して導入出来ます。
また、タッチレールは
取付け後に、ダウンウェイトの微調整が
容易に可能です。
その為、あとから
微調整が必要となった場合にも
比較的簡単に再調整が出来ます。
タッチレールはアップ(リフト)ウェイトへの
影響が少ないので、ダウンウェイトはもちろん軽くなり
且つアップウェイトもしっかり確保出来ますので
調整後のタッチ感も違和感なく
軽快かつ良好に仕上がります。
タッチレールは
グランドピアノの既存の「鍵盤押え」と
置き換えで取付けます。
こちらが皆さんのグランドピアノに付いている
「鍵盤押え」です。
このように「鍵盤押え」があった場所に
「タッチレール」を取付けて
後は、ダウンウェイトを調整すれば完了です。(簡単ですね!)
ダウンウェイトの調整は
鉛による調整の時と同様に
1鍵ごとに分銅を使って
任意のダウンウェイトになるよう調整していきます。
鍵盤ごとに独立したツマミが付いていて
これを回すことでツマミ下部の
コンプレッションスプリングの効きを調整する仕組みです。
全ての鍵盤のウェイト調整が済んだら完了です。
鉛による調整と比べ、圧倒的な速さで作業が終わります。
今回はお客様のご希望で
ダウンウェイト 55g に調整しました。
カワイのグランドピアノは
特に鍵盤が重いと訴える方の多いピアノで
例外なく今回のピアノも
デフォルトでは、
低音セクション : 65gから70g
中音、高音セクション : 60g前後
という非常に鍵盤の重いピアノでしたので
55gというと、現在では気持ち重ためのウェイトですが
体感ではかなり軽くなった印象です。
こちらのお客様は
RX-2 NEOの前は
ヤマハのU3Hでしたので
余計にカワイのグランドの鍵盤の重さが堪えます。
高校生の娘さんと、お母さんが弾くピアノで
特に娘さんがこのカワイのグランドを1時間も弾いていると
腕が辛くなってくるということで
今回タッチレールを導入されました。
またレッスン先の先生のグランドピアノがヤマハで
今回はこれらを総合的に判断し
お客様と相談の上、ダウンウェイトを
55gに決めました。
タッチレールの取付けが済んで
さっそくお客様に試弾して頂き
OKをもらいました。
私もチェックを兼ねて弾いてみましたところ
いつも、こちらのピアノを調律した後に試弾すると
鍵盤が重すぎて上手く弾けない事が多かったのですが
タッチレール取付け後は
なんのストレスも無く、スラスラと弾けてしまいました。
数値上でも軽くなってますが
体感はそれ以上に弾きやすい印象です。
速いパッセージやトリルを弾く際に
やはり軽い鍵盤はありがたいです。
グランドピアノの重たい鍵盤でお悩みの方、
タッチレールの取付けを検討されては如何でしょうか。
タッチレールに関しては以下のページも参考にどうぞ↓
http://www.piano-tokyo.jp/touch-rail.html
渡辺ピアノ調律事務所
〒154-0016 東京都世田谷区弦巻1-20-14
E-mail info@piano-tokyo.jp
url http://www.piano-tokyo.jp/
weblog https://www.piano-tokyo.jp/blog/
2014年10月20日 | カテゴリー:タッチレール