グランフィールの取付けでジャックが短い場合
グランフィールのレペティションスプリングは
一般的な「70mm前後のジャックに対応した長さの
レペティションスプリングが標準仕様」で
ジャックが60mm前後と短い場合には
スプリングのコイルを一巻き多くすることで
短いジャックに対応しています。
標準タイプのレペティションスプリングの太さ配分は
低音側から高音セクションにかけて
- 0.9mm × 20本
- 0.85mm × 20本
- 0.8mm × 24本
- 0.75mm × 24本
という構成です。
多くのピアノの場合、70mm前後のジャック長なので
この構成で、調整さえ正しく出来ていれば
違和感の無い快適なグランドタッチになります。
しかし、60mm前後の短いジャックの場合
上記70mmと同じ太さの構成で取付けた際
打鍵するとき指先に
レペティションスプリングの抵抗を過剰に感じるケースがあります。
太さは同じ構成のまま短くしたスプリングを配置した場合
短いスプリングは標準のスプリング長と比べ
たわみが少なくなることが考えられます。
そうすると同じ太さのスプリングでも
短くなった分、より強く効いてしまう筈です。
これを解消する為に今回試みたのは
太さ0.9mmのスプリングは使わずに
- 0.85mm × 20本
- 0.8mm × 34本
- 0.75mm × 34本
という構成です。
結果は良好。
70mmのジャックに
標準スプリング長のレペティションスプリングを
取付けたピアノで感じられる心地よいタッチ感が、
短いジャックのピアノでも再現され
とても弾きやすくなりました。
懸念されたのは
逆にスプリングの効きが
弱くなりすぎるのではないかという事ですが
そんな事はなく、寧ろちょうど良い塩梅です。
但し、ジャックの短いピアノの場合
必ずこの構成が当てはまるかというと
恐らくそうではありません。
レギュレチングレールとジャックとの位置関係や
レペティションスプリングの作用面の上下位置によって
ケースバイケースで工夫する必要がありそうです。
渡辺ピアノ調律事務所
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2015年4月20日 | カテゴリー:グランフィール