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良くある質問(ピアノにまつわる質問集)一覧

暖房ってピアノにはいけないんですよね?

ストーブと猫
適切にご使用いただければ、暖房そのものがピアノに悪影響を与えることはありません。
寒い部屋でピアノを弾くのは手が冷たくなって辛いですからね。
暖房の送風を直接ピアノに当てない、暖房器具とピアノの距離を出来る限り確保するようにすれば大丈夫です。
その際、急激な温度変化をピアノは非常に嫌いますので、可能であれば少しずつ暖めてやる配慮も忘れずに。
例えば13度だった部屋を5分、10分で20度にしてしまうような急激な暖め方は避けたいところです。
緩やかな温度変化でしたら、さほど調律に影響を与えません。
1時間に1度ずつ上げていくようなつもりで、ゆっくり部屋を暖めるとピアノへの影響が少ないです。

好ましくないのは、例えばガスファンヒーターやエアコン等の強力な暖房器具で、室温10℃くらいの部屋を5分、10分といった短時間で20℃以上にしてしまうような暖め方です。
短時間での急な温度変化はピッチを変動させてしまいますし、場合によってはアクションのスティックの原因ともなります。

床暖房

さらに昨今ピアノと相性の悪い暖房として床暖房があります。
ピアノが過乾燥になってしまい木が割れたり反ったり、接着が剥がれたりとトラブルが多いです。
アップライトと床暖房の組み合わせでお使いの方々は口を揃えてこう言います。
「床暖房は壁際まで敷設されていないから平気でしょ」と。
床暖房は普通壁際ギリギリまでは敷設されてはいませんが、暖気って垂直には上がりませんし、周辺の空気は乾く訳で...影響出るのです。
床暖房は便利なのでお使い頂くのは構わないのですが、対策をとりましょう。
ピアノの下とピアノより広い範囲(演奏時の椅子のところくらいまで)に遮熱するシートを敷く。
そしてそのままでは格好悪いので遮熱シートの上に丁度いいサイズのラグなどを敷きます。
こうしておけば床暖房も使えるし、ピアノを床暖房の過乾燥から守ることもできます。
グランドピアノの場合もピアノより少し広い範囲でピアノの下を遮熱すると安心です。
床暖房対策の専用品もありますので、そのようなものをピアノの下に敷くのも良いでしょう。
アルプスさんのビッグパネルや東京防音さんの断熱パネルなどで床暖房からピアノを守ることをオススメします。

そういった点ではオイルヒーターのように、一時間に1度、2度くらいずつ上がる、じわじわと暖めてくれる暖房機具が扱いやすいですし、調律の安定の点でもお勧めです。
ただ日本の場合、電気代が非常に高いのでオイルヒーターは小さな部屋のみオススメします。

また昔ながらの電熱棒をオレンジ色に光らせるタイプの電気ストーブは、かなり空気が乾きますので、同時に加湿なさると良いかと思います。
電熱棒タイプの電気ストーブには加湿が出来るよう水を入れられるタイプも多いですが、そこに水は入れないでください。
あれは沸かした湯気なのでピアノがダメになりますので別途気化式の加湿器で加湿してください。
加湿の際は気化式の加湿器をご使用になれば、結露の心配をすることなく加湿が出来ます。
加湿器はパナソニックの気化式、FEシリーズがオススメです。
スチーム式の加湿器はピアノをダメにするので絶対に使わないでください。

関連リンク : 調律を安定させる為に

The author is Masami Watanabe

ピアノ調律に関するご質問は、
お気軽に渡辺宛 info@piano-tokyo.jp までお問い合せください。

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