調律してもすぐに音が狂うのですが?
まず大前提としてピアノはアコースティック(生)楽器です。
コンサートでバイオリン奏者がコンサート中に音を直していたり、調律師さんがピアノの音律を修正しているのを見たことのある人もいるでしょう。
アコースティック楽器はそれくらいデリケートです、ホントに繊細。
極端な話、ピアノは調律直後から少しずつ狂いはじめているのです。
みなさんの家にあるピアノも温度や湿度の変化でピアノの状態はずいぶんと変化しているハズです。
通常、平均的な技術の調律師が調律したピアノは、半年~1年は少々音が狂ったとしても許せる範囲です。(狂わないという意味ではありません)
正常な許容範囲の狂いかたと、そうではない狂いが存在します。
もし調律後、数日でとんでもなく音が狂うようであれば、何かしらピアノ自体に原因があると考えられます。
一例としては弦を保持しているチューニングピンが、しっかりと弦を保持出来ない状態にあると考えられます。
ピアノに異常がなくてもお部屋の温度変化が激しい場合などにも、音律は狂いやすくなります。
一度調律師に相談して適切な診断をしてもらって下さい。
また十数年~数十年ぶりに調律をした場合は、どうしても音律の持ちが悪くなる傾向があります。
長い年月かけて弛んだ弦の癖は、急に1回だけ調律したからといって、すぐに良くなるのものではありません。
しばらくぶりに調律した場合は、その後数回は数カ月後、半年後といったペースで、少し短かめのスパンでくり返し調律してあげる必要があります。
短い期間でくり返しメンテナンスをする事で、弦やフレーム等次第に安定してきます。
落ち着いてしまえば、年1回程度で安定するようになります。
また季節ごとに音律が狂ってしまうような場合、お部屋の湿度が一定でない事や急激な温度変化をしている場合が多いです。
お部屋の湿度を通年、出来る範囲で湿度50%程度となるように除湿と加湿をし、湿度を上手にコントロールすることで、ピアノの響板の膨張・収縮が抑えられますので、季節による音律の変化はなくなり安定した状態となります。
関連リンク : 調律を安定させる為に
The author is Masami Watanabe