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良くある質問(ピアノにまつわる質問集)一覧

弱音ペダルを使うと変な音になるのですが?

はい、弱音は変なものです。
ピアノの屋根を開けて中を見て頂きますと、弱音(マフラー)が単純で原始的な仕組みであることが分かります。
弱音を使用しない通常時
弱音を使わない通常時、弱音フェルトはハンマーの上部に待機しています。
ピアノのハンマーは弦を直接叩きます。
ハンマーが弦を直接叩くので、いわゆる普通のピアノの音が鳴ります。
弱音フェルトを下ろした状態
弱音ペダルを下ろすと、ハンマーと弦の間にフェルトが下りてきます。
ハンマーは下りてきたフェルト越しに弦を叩くことになる為、なんとなく出音が弱くなるという仕組みです。
しかし弱音使用時は、ハンマーと弦の間にいわば異物がある状態なので、弱い音になるのと引き換えに「音色」と「タッチ」が犠牲になります。
音色はモコモコになるし、タッチはスッキリしないレスポンスの悪いものになります。
ちなみに弱音ペダルが国産ピアノに標準装備されるようになったのが昭和40年頃のことです。
当時は画期的な機能だったことでしょう。

もちろん現代でも、あまり大きな音で弾くことが出来ない場面で、弱音は使い方次第で便利な機能です。
その後「消音ユニット」というものに取って代わられることになります。
しかし「消音ユニット」のおかげで、「むしろ弱音でいいのだ」と思うようになりました。
理想のシステムのように見えた消音ユニットですが、整調のとても大事な寸法を大きく変えなければ成立しない構造だったため、消音ユニットの付いているピアノは、アコースティック時のタッチと音色が劣化してしまうという問題があるのです。
しかし「弱音」は、通常使用時(弱音を使わず普通に弾く状態)のタッチや音色には影響しないのです。
モダンな消音ユニットよりも、昔ながらの弱音の方がメリットが大きいなんて皮肉な話ですね。

弱音フェルト

弱音フェルトのフェルトの厚みは各々のメーカーや機種でことなります。
厚手のフェルトを使えば弱音効果は強くなりますが出音が変になる傾向となり、出音を優先して薄手のフェルトを使用すると弱音効果が薄れます。
ダンパーペダル使用時は特に次高音から最高音にかけて変な音が出やすいです。
次高音のハンマーと弱音フェルト
次高音から高音部の小さなハンマーでは弱音フェルトの厚みに負け、打弦した弦の両サイドの弦を弱音フェルトが押してしまい、両隣の音が一緒に鳴ってしまうことがあります。
ダンパーペダル使用時は全弦が解放されていますので、この現象がより顕著となって聞こえてしまうのです。
弱音フェルトの上下位置が悪く、深く下がりすぎていると変な音になりやすいので、調整を見直すと改善する事もあります。
低音のハンマーと弱音フェルト
低音と中音の大きなハンマーは、弱音フェルトに負けず打弦するので変な音が鳴りにくいのです。
弱音効果が薄れても構わないので出音を優先したいという場合は、フェルトを薄手のものに貼替えてやれば出音の変な感じは抑える事も可能です。
しかしそうすると本来の目的である「弱音効果」が薄れます。

弱音ペダルはダンパーペダルやソフトペダルと違い、そもそも演奏に使用するペダルではありません。
あくまでも夜間等のあまり大きな音が出せない状況で使用する応急処置的な機能ですので、運指の確認用と割り切ったほうが良いでしょう。
弱音ペダル使用時の「変な音」と「モコモコタッチ」では正確な練習は難しいですし、1枚フィルターのかかった音では弾いていてもつまらないです。
もちろん必要があれば弱音ペダルは多いに利用して頂いて構いませんが、NON弱音で演奏出来る状況にあるときは、弱音の使用は控えてみては如何でしょう。
弱音を使わない時の音がピアノ本来の音なのですから...

ターンバックル
尚、ターンバックル等を使用している弱音機構を筆頭に、頻繁に弱音ペダルを掛けたり外したりを繰り返していると、弱音フェルトの位置が少しずつずれてくる事があります。
弱音フェルトは下がりすぎず浅すぎず、適切な位置に下りていないと、ただでさえ変な音がさらに変な音になってしまいます。
ほとんどの場合、調律師さんが調律訪問時に気がついたら適切な位置に調整し直してくれます。
対策としてナットを追加してターンバックルが動かないようにすることが出来ます。

弱音でも消音でもない対策もあります。
防音パネル
「防音パネル」という選択です。
ピアノと壁の間に挟み込み、そもそものピアノの音量を下げようというもの。
アップライトピアノの音はほとんどが背面の響板から出ていますので、そこを塞ぐことで音量を小さくしようという製品です。
「ピアノ - 防音パネル - 壁」というように、ピアノと壁でサンドイッチにして設置します。
そのままではピアノの背面と防音パネルの間に隙間が出来てしまい効果が半減してしまいます。
ですので防音パネルと壁との間にかまし物をして、防音パネルがピアノの背中としっかり密着するように設置すれば十分な効果が出ます。
これと同じ発想でピアノの背面を毛布で塞いでしまう方もいます。
防音パネルは専用設計だけあって、毛布よりも出音が少し良いです。
防音パネル設置後は日常弾く音が今までより小さくなります。
でも「今日は本来の音で弾きたい」という時もある事でしょう。
そんな時は屋根を開けて頂くと、音の出口が出来て音量を大きくすることで対処できます。
弱音のモコモコした音が苦手な人は防音パネルの設置がオススメです。

【参考】 : 弱音ペダルを使う事が多かった為、弱音フェルトに穴が空いてしまった。

穴の空いた弱音フェルト

The author is Masami Watanabe

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お気軽に渡辺宛 info@piano-tokyo.jp までお問い合せください。

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