音色がキンキンしますが調律で柔らかくなりますか?
ピアノの音色は一定の範囲で調整出来ます。
「整音」と言う作業で調整します。
弦を叩くハンマーフェルトという部分が、長期間の使用により硬くなっているかもしれません。
また長年湿気を吸わせてしまったり、好ましく無い環境下にあったフェルト類は、ガビガビに硬くなっていたりします。
「整音(せいおん)」という作業で改善されますので、調律の際にご相談ください。
ハンマーフェルトはピアノ納品時から繰り返し打弦することで、フェルト繊維が奥へと押し潰され堅くなってしまう為、音色も少しずつ硬くうるさい耳障りな音へと変わっていきます。
ハンマーは繰り返される打弦で、縮絨がキツく絡み合いハンマーフェルト全体としても硬くなっていきます。
ハンマーは先端だけでなく全体も硬くなっていく訳です。
また出荷時に充分な整音がされていない為に、音色が硬くキンキンするピアノも見受けられます。
購入してから数十年、一度も整音をしていないピアノも少なくありません。
これらのピアノの大半は、「美しいピアノの音色」とは程遠い、トンカチで弦を叩いているような音を奏でます...
難聴になるんじゃないかというくらいガチガチの音が鳴るピアノを弾いてる方もいます。
例えるなら、J-○○○等とカテゴライズされるような方々が、咽を締め付けて唄っているような状態です。
しかし急にこのような音色になれば誰でも気付く訳ですが、長い時間をかけて少しずつ変化していきますので、弾き手は変化に気付きにくいという面もあります。
ピアノは「木の音」のする楽器と言われたりします。
様々な書物でピアノの音色を文字で表現されていますが、ピアノの音を文字にした場合「ポロン」「ポーン」が大半でしょうか。
決して「キーン」では無いです。仮に「キーン」がデフォルトのピアノであれば、問題ないのかもしれませんが「ポーン」「コーン」がデフォルトのピアノが「キーン」「ビーン」になってしまったであれば、元通りの発声が出来るように戻してあげるのが良いでしょう。
適正な整音作業を施したピアノは、ピアノが本来持っている良い音色、すなわち「木の音」を奏でてくれます。
お腹から発声させる訳です。お使いのピアノの音がキンキンと耳が痛くなるようなうるさい音になっている場合は、一度調律師さんに整音を依頼してみると良いでしょう。
以下は整音されることなく弾き続けたピアノの整音ビフォーアフターの動画です。
(最初の動画が整音前。動画内の右矢印をクリックして2枚目が針入れの静止画。さらに右へ進み3枚目が整音後)
整音前の音はガン!ガン!とキツイ音が耳障りです。
いっぽう整音後はピアノらしい温かみのある音色に感じられるのではないでしょうか。 落ち着いた音色に整音する際に、「明るさと落ち着き」という
一見すると真逆の音色要素が共存した響きになるよう整音しています。
関連リンク : ハンマーのファイリングってどんな作業?何のためにするの?
The author is Masami Watanabe (from www.piano-tokyo.jp)