Grand piano(グランドピアノ)
翼の形をしていることからドイツではフリューゲル(Flügel)と呼ばれたりします。
またこの形状が音色を特徴付けている要因でもあります。
ピアノはもともと、このグランドの形が先でアップライトは後に誕生します。
サイズの大きいグランドピアノは当然弦が長く張れることと、響板の面積も大きく取れますので、音色が豊かで表現力に優れています。
コンサートホールで使用されるものは3mくらいあります。
その為、グランドというと大きいという先入観をお持ちになる方も多いのですが、実際には各メーカーから、奥行き150cm、160cm前後のサイズより、多数ラインナップがありますので、用途に応じて選択可能です。
最近は趣味で弾く方もグランドを所有される方が増えてきました。
アップライトピアノとの違いとして音色の奥行感もさることながら「連打がしやすい」「 ソフト(シフト)ペダルの効きが良い」「ダイナミックレンジが広い」等が挙げられます。
関連リンク : グランドピアノ構成部分の名称
Granfeel(グランフィール)
アップライトピアノにグラントピアノのレペティション機能と豊かな響きを実現する技術。
藤井幸光氏が考案し、特許を取得した技術です。
グランドピアノに付いているレペティションやドロップという装備は、アップライトピアノが誕生してからおよそ200年間、ほとんどのアップライトには搭載されて来ませんでした。
グランフィールは一般的な設計のアップライトピアノにレペティションスプリングやドロップスプリングを取付ける事を実現し、これによりグランドピアノに限りなく近いトリルや連打性、ダイナミックレンジの拡大などを再現可能にしています。
さらにグランドピアノのような豊富な倍音を含んだ華やかな響きを出す事も可能なります。
通常のアップライトピアノにはグランフィール取付キットを用いて、レペティションスプリングやドロップスプリングを後付けするグランフィール技術で対応します。
その他に予めレペティションスプリングなどが搭載済みの完成品ピアノ、グランフィールピアノとがあります。
既に普通のアップライトピアノを所有されている方の場合は、いくつかのパーツを後付けすることで手持ちのアップライトにレペティションスプリングを追加する事が可能です。
設置スペースや音量の問題、費用面などグランドピアノのタッチや響きを必要としていながらもやむを得ずグランドピアノを諦めていた方々にグランフィールは新たな価値観を提供します。
単にパーツを後付けするのみならず、アップライトの弱点を解消するような加工や調整までがグランフィール技術であり藤井氏のこだわりが垣間見えます。
一方で、この技術によりアップライトを完全にグランドピアノに出来るかというと、発展途上と言える面もあります。
レペティションスプリングは存在するものの、レペティションレバーは存在しません。
そのためジャックはレペティションスプリングと直接向き合う格好となります。
ジャックは常にスプリングを押すのでタッチのスッキリ感が損なわれ、指にバネ感を感じると同時にタッチが重くなる傾向があります。
「鍵盤の重たいピアノは苦手」という方は合わないかもしれません。
この問題をクリア出来れば完成度の高いものになると考えます。
関連リンク : グランフィール
The author is Masami Watanabe